開催にあたって

今回この柏原の地で「カンタティモール」を上映できる事となりました。
私が初めてこの映画を見た時、地元滋賀で、一人でも多くの方々に見てほしいと強く思いました。間もなく会場探しを始めたものの、なかなか良い環境や出会いがなく時間ばかりが過ぎていました。そんなとき、古ゞ屋さんでの「間」に参加する機会があり、良き出会い、環境を提供いただく事となり、今回の上映が実現しました。

「カンタティモール」 この映画には、今この日本に生きる私たちが忘れかけていた、「心のふるさと」があるように思いました。今も私たちの心の中にあるのに、見つけたくても見つけられない、感じたいのに感じられない、そんな「心のふるさと」。
「カンタティモール」は決して遠い国の出来事ではない、今まさに私たちが生きる、この目の前の現実としてメッセージを投げかけてくれている気がします。
初めてこの柏原の町に訪れたとき、町を歩きながら、何か懐かしい思いがしました、柏原の地にも、人と人が繋がり支えあい生きてこられた歴史が、「心のふるさと」が、きっとあるはず。「カンタティモール」と「柏原」が私の気持ちの中で何か繋がったように感じました。 ここ柏原の地で、皆さんの参加をお待ちしています。

最後に、今回上映にあたり、ご協力いただいた広田監督はじめ、ご協力いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。                                                                佐々木  麦


今回の「間」は初めての共催となります。
お相手の佐々木麦さんと初めて出会ったのは、去年の9月に開催した間#3 「対談の間」ー変わらぬものーでした。
対談後の交流会の席で話しをしていると、
「実はある映画の上映会を滋賀で開きたいと前々から思っているんです」
と語り始められました。
その時まだ映画の名前はおっしゃっていませんでしたが、「カンタ」だと直感しました。
そして、「ここで開かせてもらえないだろうか」と語り終えられるのを待つやいなや、
「良かったら一緒にやりませんか」と声をかけ今に至ります。

「間」には「ヒトとヒトとの間」という意も込めてあります。
カネの価値が肥大化し、分断されたヒト・コト・モノの合間を繕うことで、
本当の豊かさや、安心、暮らし易さを取り戻せないだろうか。
自問と学びを経て、自分たちなりの現在の解。
それが「間」という活動です。

お客さんとして初めて出会った方とこうして一緒にできることが嬉しく、大変ありがたいです。
なぜなら、ヒトとヒトが集いコトが生じたから。そうしたら自ずとモノともつながると思います。
「モノ」は「形あるモノ」だけではなく、
今だからこそ大切にしたい「形がないモノ」を含みます。

当日は、広田奈津子監督にもお越しいただき、作品ができるまでや、東ティモールの現在、今だからこそ伝えたいことなどをお話しいただきます。
このような素晴らしい作品を形にされた方の声を生で聞く体験は、必ず何かを生じさせるので楽しみで仕方ありません。
自分が生まれ育った地域でカンタ!ティモールを上映させていただけることに感謝します。


映画が自分に問うてきました。

「おまえは何処に立っているんだ?」

渡部建具店
秀夫